アメリカでの生活とアートについて

マンハッタンのギャラリー情報・3

時間がだいぶ過ぎてしまいましたが、マンハッタンのギャラリー情報・3と4を書きます。ここでチェルシー(アパーチェルシーとローチェルシー)、モマ周辺とミッドタアウン、アップタウンも含めて記載します。

ルーカ教授のお勧めの展示が、The Tanya Bonadkar gallery だそうです。日本でも東京都現代美術館で展示していたオラファー・エリアソンの展示です。

上の作品は、透明なスクリーンのバックで光が当てられたガラスがゆっくり回転していました。光が移り変わる幻想的な美しさにため息をつくしかありませんでした。

他にも東京で見たのと同じ作品がありましたが、ここの方がより強烈でした。

次はカゴシアンです。日本では知られていないのかもしれませんが、ヘレン・マーデン (Helen Marden)というアーティストです。

このペインティングがとても素晴らしかったです。自由に踊りつつキャンバスに落ちたカラフルな絵の具に目を見張りました。写真だと分かりづらいのですが、絵画と彫刻の中間のような作品です。

さらに鏡のようにピカピカ磨かれた黒い床が水面のよう見え、作品を一層引き立てていました。画集がないかどうか聞いてみたのですが、カゴシアンではまだ販売されていないということで資料だけ受け取ってきました。

Nara Roesler galleryで展示されていた作品もとてもスタイリッシュな作品で、アメリア・トレド (Amelia Toledo)という人です。下の作品は、アンニ・アルバース (Anni Albers)のインスタレーションとよく似ていますが、アメリカでもよく見られる形式の一つです。https://publicdelivery.org/anni-albers/

アメリア・トレド

次に訪れたMatthew Marks で展示されていた彫刻作品も隙がありませんでした。アーティストはレベッカ・ウォーレン (Rebecca Warren)で、作品、台座、空間全てに神経が入っています。個人的には、このエイリアンのような彫刻と宇宙的な空間の組み合わせだからこそ、新しさと古さを感じさせるのだと思います。

レベッカ・ウォーレン

次に訪問したPace では、すでに巨匠となったクレス・オルデンバーグ(Claes Oldenburg)の作品が展示されていました。Pace はカゴシアン同様に大きなギャラリーです。

今回はギャラリーで展示されていた大作より、オフィスにあった小さなドローイングや彫刻の作品の方が興味深かったです。また同じギャラリーの隣の部屋には別の企画展があり、デジタル系の作品が多く展示されていました。

下の渦巻きのような抽象絵画は、Tina Kim galleryで展示されていました。韓国系の画廊なので、展示されているアーティストも韓国人なのかなと思ったのですが、デビッド・バリアーノ(Davide Balliano)というイタリア人でした。アーチ状の空間や、サイトの動画にアップロードされていた制作プロセスがとても面白かったです。(作品のマチエールも日本画に似ています)

この画廊のサイトにある「Artists」をチェックすると、リー・キボン(Kibong Rhee)の作品がありました。http://www.tinakimgallery.com/

この霧の中にある木や水面などの作品は、かなり前からアーモリショーなどで見たことがあったのですが、画面がシルクスクリーンで覆われています。一体どのようにして制作しているのか不思議だったのですが、サイトには動画でプロセスが説明されていました。なんとアクリルで描いてからシルクを張っていたそうです。

私のお気に入りのアーティストの一人なのですが、特にこの霞のような表現が水墨画のようで美しいです。ネットで見ると写真のようですが、実物はもう少し立体系のメディアアートのような印象を受けています。

さらにインスタレーション、スカルプチュアにも挑戦しており、今後の展開が楽しみです。

次はLehman Maupinというギャラリーです。自分の描いていた日本画との共通点を感じたのでスタッフに聞いてみたところ、インド人でイギリスに住んでいるアーティストの作品でした。「日本画の雰囲気に似ていますね。」と伝えたところ、「あなたの言う通りね。」と答えてくれました。

近くで見ると緻密なレースのような表現をしており、全て色鉛筆で丹念に描いているとのことです。この細密的な表現やカオスのような混沌とした空間も、アジアらしい特色だと思います。

最後は自分の好みとは無関係にいろいろな作品を載せます。年齢層も人種もバラバラですが、現在のチェルシーではこのような感じの作品が展示されていました。