アメリカでの生活とアートについて

マンハッタンの美術館情報(3 )グッゲンハイム美術館

グッゲンハイム美術館では斬新な展示が試みられていました。この上の6人は全米でよく知られた作家たちで、彼らがキュレーションした作品が並べられていましたが、どれも素晴らしかったです。特に蔡國強(CAI GUO-QIANG)は、日本で作品を見たことがある方が多いと思います。

この作品はGlenn Ligonの作品で、テキストとイメージの関係性を追求してきたコンセプチュラルアーティストです。文字だけを用いた作品がとてもクールで、Art21という有名なドキュメントにも主演しています。https://art21.org/artists/

この作品では、作家が黒人のゲイであるというマイノリティとしての視点を表現したものであり、私たちの世界はマジョリティだけで成り立ってはおらず、特定のバイアスにかかっているだけなのだということに気づかせてくれます。現代アートは感情を揺さぶるだけではなく、私たちの知覚を刺激したり、思考を促すものです。もしアートが癒しだけを要求するものであれば、私たちの知覚は非常に限定されたものになってしまいます。

上の写真作品はCatherine Opieという作家の写真です。彼女はアウトサイダーにフォーカスを当てていますが、必見すべきは「移民、フェティズム、キリスト教社会、女性問題、弱者」といったキーワードが直接的に見えてくるところです。この作品の中で女性は自らの身体を痛めつけながらも、マリアの聖母像のように肌の透き通った子供に授乳をしています。注目したいのは、単にショッキングな表現だけではなく、見慣れた頃に見えてくる美しい構図と選び抜かれた媒体であることです。このような表現はアメリカという地だからこそ可能であり、日本では馴染まないのかもしれません。

広い空間にたどり着くとSimone Leighの巨大なスカルプチュア(彫刻)があり、近くで耳を澄ますと小さな低音が聞こえるそうです。そばに立っていた警備員の方に聞いたところ、このスカルプチュアは中が空洞になって自然にエコーしているそうです。

Lee Bontecouの作品です。去年キュレーターや作家たちから、私が制作した赤い作品の雰囲気に似ていると何度も言われていていました。日本ではそんなに知られていないようですが、アメリカでは著名な作家です。彼女の多くの作品に見られるぽっかり空いた穴は、まさに深淵を覗き込むような深さがあります。スカルプチュアのみならず、ドローイングの技術も突出した人です。(本物も当然のことながら、画集を見ても本当に器用な方です・・・)

言わずと知れたルイーズ・ブルジョワの作品であり、六本木ヒルズで見かける巨大蜘蛛を制作したアーティストです。去年マイカのツアーで行ったグレンストーン美術館(Glenstone)では彼女の永久設置された展示を見たのですが、想像力に溢れた多種多様なドローイングや彫刻、インスタレーションを多く残しています。どれも洗練されて降り見応えがあります。彼女は自らのトラウマを表現しているため視覚的に直接的でグロテスクであり、父親を噛み砕いたインスタレーションもあります。

https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g41328-d4972549-Reviews-Glenstone_Museum-Potomac_Montgomery_County_Maryland.html

この作品はバーバラ・クールガーの作品ですが、フェミニズムの大御所みたいなアーティストです。公共場所でテキストを用いることによって男女平等を促進した作家で、今回の作品は新聞記事から文章をごっそり取ってしまった作品でした。

日本勢からは草間彌生、田中敦子の作品が出品されていました。草間は日本画を学んでいたためか、繊細に描かれた白の網目模様がとても美しかったです。彼女の植物着彩を日本で拝見したことがありますが描写力が高く、今も続けていたら日本画界の巨匠になっていたかもしれないと感嘆したものです。田中は欧米でよく知られており、この陶器の作品も実際に見ると非常に力強いエネルギーがありました。ここでは展示されていませんでしたが、彼女が作った電気服は今なお新しさを感じさせます。