アメリカでの生活とアートについて

マンハッタンのギャラリー情報・4

最後はソーホーとトライベッカ、ウエストソーホーを周りました。この辺は新人アーティストや実験的な作品が多く見られるそうです。

この地区で最後に訪問したギャラリーが、Ulteriorだったのですが、なんとアーティストもオーナーさんも日本人でした。とても親切なオーナーさんで、マスクで口の動きが見えないからと筆談で丁寧に対応してくださいました。

展示されていたアーティストはノムラ・ザイ(Zai Nomura)だそうです。ルーカ教授が注目している画廊だけあってとても素晴らしい作品が置かれていました。

この作品の面白いところは、プリンターが遺影をコピーをするという発想です。その遺影は実際に印刷されず、水槽の中にインクが落ちていきます。あたかもたくさんの魂が水の中に溶け込んだかのような不思議な光景でした。すでに水槽内が茶色になっていたのですが、天然植物の染色のような美しさです。

Ulteriorに行く前にもいくつかギャラリーを訪問しました。Perrotin(六本木にもある)に展示されていたのは、日本でも有名なアーティストの作品でした。

ペインティング
巨大作品

小さな彫刻の方に見ごたえを感じたのは、きっと作家が表現したかった本来のサイズなのだろうと思います。それに、この作品から江戸時代に円空が制作した木の彫刻を思い起こさせ、以前は好きではなかったのですが親しみを感じられるようになりました。

次は有名なデビッド・ハモンズ(David Hammons)の若い時のドローイングです。

デビッド・ハモンズ制作している時の写真

前回のブログで書き忘れていたのですが、The Drawing Centerという画廊で展示されていました。彼の作品はイブ・クラインを想起させますが、展示のステートメントでもクラインからの影響があったと述べられています。とても美しいシルエットで見応えがありました。

最後はMiguel Abreu galleryでの展示です。そこでは、とても興味深い音響作品が展示されていました。

音のマッピングがされているようで、ランダムに音が鳴っています。知人の電子回路工学のアーティストに聞いてみたのですが、どのようにプログラミグされているのか全く分からないそうです。彫刻もユニークなもので、現代素材としいたけを組み合わせていました。

以下、興味深かった作品を掲載しておきます。この辺りは画廊同士がかなり離れているので、事前に場所と作品情報をチェックしておくと良いかもしれません。

またオンラインと実物のイメージギャップが大きかった作品も多くあります。その点ではどうしても現地に行かないと体得できないリアリティというものを痛感しました。

コロナ以降はデジタル全盛期になると思っていたのですが、おそらくオンラインとリアリティのハイブリッドの交差が進んで行くのだろうと思います。

また8年前にマンハッタンに訪れた時は、暴力や性器を誇張した過激な作品が多かった記憶があるのですが、現在はそれほど多く見かけなくなりました。