アメリカでの生活とアートについて

アメリカの超格差社会

久しぶりに、アパートからわずか15分くらい先のアフリカ系アメリカ人のコミュニティの近くを歩いてきました。この近辺は、道端で麻薬を吸っていたり、銃を所持している人が多いので、3月以降は近くに寄ることを避けていました。

上空には、昼夜問わずいつもヘリが旋回しています。その上ゴミが散乱し、多くの建物が崩壊寸前です。こうした環境に住んでいたり、厳しく監視されるからこそ、彼らが暴動に駆り立てられる気持ちがよく分かります。

この辺りでも人々が密になっており、アフリカ系アメリカ人としてのコミュニティーの結束の強さを感じさせる光景がよく見られます。(現在は雰囲気が重苦しく、撮影は難しいと感じせざるを得ません)

そのコミュニティーで、女性は三つ編みをしている人が多く、黒人特有の髪型であるブレイドとして知られています。

マイカの講演に招かれたアンドレス・ヘルナンデス氏も、ベニス・ビエンナーレ(アートの国際展)でこのトレッドを象徴したインスタレーションを表現していたように、このスタイルは彼らのアイデンティティです。

https://www.irenebrination.com/irenebrination_notes_on_a/2018/11/us-pavilion-16-venice-architecture-biennale.html

私にとって、この髪型はアフリカ系アメリカ人の祖先がアフリカから誘拐されてきたことを忘れないためのスティグマータのように見えます。

右がアンドレス・ヘルナンデス氏

また、アフリカ系アメリカ人の若者たちが、ボルチモア市内のあちこちでバイクで暴走しています。

彼らは歩行者に危害を加えるわけではないので、恐れる必要はありません。しかし格差社会による犯罪が頻繁に起きるので、警察はとりわけ厳しく取り締まっています。

こうした警察との長期に渡る確執もあり、ボルチモアの治安のイメージを下げていると言えるでしょう。実は、ここでもジョージ・フロイドさんと同じような事件が起きています。

私は、彼らの恐怖や苦しみを理解することはできません。しかし少なくとも相手の立場になって考えることはできます。そしてアメリカの大学で学んだ重要なことは、相手に思いを馳せる想像力であり、お互いに理解し合うことです。

私の親友も、私が全ろうだった時から同じように接してくれました。だからこそ「聞こえる、聞こえない」という大きな壁を乗り超え、深い交流をすることができたのです。