アメリカでの生活とアートについて

マンハッタンの美術館情報(1)

私はコンテンポラリーアートを中心にリサーチしているので、時間がない時には、モマ美術館(MoMA) 、モマPS1MoMA PS1)、メット・ブロイラー(Met Breuer) グッゲンハイム美術館(Guggenheim)、 ニュー美術館(New Museum)、ホイットニー美術館(Whitney Museum)を周ります。Brooklyn museumもたまに行きますが、メイン以外は微妙な作品も多いので前回行ったのが8年も前です。

この間は、モマ美術館、ニュー美術館、ホイットニー美術館と、メット・ブロイラー(Met Breuer)に加え、クーバーヒューイット美術館(Cooper Hewitt Museum) も訪問しました。


メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)はどちらかというと日本の国立博物館と似ており、ブルックリン美術館は若手の展示が多いので、時間がある時にだけ周ります。

まずニュー美術館ですが、チェルシー画廊街やチェルシーマーケットのそばにあります。今回は、企画展示Whitney Biennial 2019が開催されていました。

エバ・ヘス (Eva Hesse)の作品です。彼女はわずか34歳の時に亡くなっており、本作品は有名な代表作です。近くで見るとロープに樹脂が浸してあり、飴色のようになっていてとても美しいです。

こちらは草間彌生(Yayoi Kusama)の作品です。

マイク・ケリー(Mike Kelley)の作品です。何度見ても若々しいというか、素材さえ交換すれば今見ても新鮮さが感じられる作品です。アートには、時代が変わってもこういったリアリティを持つことが必要だと思います。

キキ・スミス(Kiki Smith)のタピストリーです。彼女は、リアルに精巧した糞尿や臓器、血痕などを表現しており、美術館側から展示を拒否されてきたアーティストです。しかし生き生きとした生命力が溢れており、見るものの心を胸打ちます。近年は、神話的で神秘的な作品を多く制作しており、さらに前世が魔女だったのではないかと思わせるような雰囲気の持ち主です。

ライザ・ルー(Liza Lou)の作品です。ビーズを1つ1つ丁寧に並べており、制作にかけた気の遠くなる時間を感じさせます。作品の雰囲気からアフリカ系作家なのだろうだと思っていたのですが、実際はアフリカに移住していたため文化から影響を受けていたようです。

この作品を見たときに、すぐポール・マッカーシー(Paul McCarthy)だろうと思いました。彼の彫刻やパフォーマンスは性的でグロテスクですが、重要なのは「刺激的な表現」が評価されているのではありません。そのことを誤解される日本の方が多いように思います。

ジデカ・アクーニーリ・クロスビー(Njideka Akunyili Crosby)です。まだ若いペインターで、権威あるオークションで作品が高値で落札されるなど注目されています。空間構成、構図、色彩、デッサン力のどれをとってもインパクトがあります。

終わりに、レイチェル・ハリソン(Rachel Harrison)です。大規模な個展形式で展示していました。様々な素材の組み合わせにより、あたかもギリシア神話に出てくる半獣人のようになっています。マンハッタンにはこうしたユニークな作品も多くありますが、流行があるので現地で雰囲気を掴むことが大切だと思います。